山梨県の有名な料理の1つが「ほうとう」です。
長い歴史のある郷土料理で、地元の人の食卓には今でも当たり前のようにほうとうが並んでいます。
しかし、山梨県以外ではほぼ食べられていないので、名前は聞いたことがあるけれど食べた経験がない人も多いのではないでしょうか。
一見、煮込みうどんのような見た目をしているほうとう。
実はうどんと違っている部分も多くあって、詳しく調べてみると奥深い料理であるとわかります。
今回はそんなほうとうの魅力を解説していきます。
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「ほうとう」とはどんな料理?

「ほうとう」は山梨県を代表する郷土料理であり、地元の人々に愛されています。
まずは、ほうとうがどのような料理なのか、その概要から解説していきます。

ほうとうとは

ほうとうは、小麦粉を練って作った麺をたっぷりの具材と一緒に煮込んだ山梨県の郷土料理です。
太くて平たい麺を使うのが特徴で、じっくり煮込んだ麺に野菜や肉のうま味がしっかりと染み込んでいて、汁は煮干し出汁と味噌ベースの優しい味付けが一般的です。
山梨県では季節を問わず日常的に食べられている料理ですが、体を温める料理として、特に冬場の食卓に並ぶことが多いようです。

ほうとうの歴史

ほうとうの起源はいくつか説がありますが、今回は2つの歴史を紹介します。

1つ目は、うどんの元祖とされる料理名にまつわる話です。
うどんの元祖は、中国から伝わってきた「餺飥(はくたく)」という料理と言われています。
はくたくは、こねた小麦粉を薄く伸ばして煮込んだ料理です。このはくたくという言葉がなまって伝わり、ほうとうになったのではないかという説があります。

2つ目は、戦国時代に名を馳せた武将・武田信玄にまつわる歴史です。
甲州の地を治めていた武田信玄は、戦の最中に食べる料理としてほうとうを考えたと伝えられています。
小麦粉を練って作った麺は消化もよく、エネルギー源にもなることから、ほうとうを作って食べていたようです。
ほうとうを作る際に武田信玄が自らの伝家の宝刀で麺を切った伝説から、ほうとう(宝刀)という名前が生まれたのではと言われています。

ほうとうに入っている主な具材

ほうとうには、多くの具材が使われますが、中でも欠かせない野菜がかぼちゃです。
各家庭やお店によって、使われる具材は多少変わるものの、かぼちゃだけはほとんどのほうとうに入っています。
季節の野菜をふんだんに使うので、時季によって使う具材が多少変化するところもほうとうの魅力のひとつです。
ほかには、以下のような具材が使われています。
・にんじん
・だいこん
・しいたけ
・しめじ
・長ねぎ
・白菜
・さといも
・豚肉
・油揚げ

ほうとうに使われる麺の特徴

ほうとうの麺は、太くて平たい形状が特徴です。
また、そばやうどんとは違って生麺を具材と一緒に入れて煮込むため、ほうとうの麺から小麦粉が溶け出し、スープにとろみが出るのもほうとうの特徴と言えるでしょう。
また、ほうとうは麺をこねるときは塩を加えず、水だけで生地を打ちます。
平たい麺は煮崩れしにくく、長時間煮込んでももちもちとした食感を保つため、食べ応えがあります。麺の太さと形状が、ほうとう独特の食感と満足感を生み出しています。

ほうとうの作り方

ここからは、ほうとうの作り方を簡単にご紹介します。
どのように作られているかを理解すれば、現地で実際に食べるときもより興味深く味わえるのではないでしょうか。

1.出汁を取る

まずは鍋に煮干しと水を入れて火にかけ、出汁を取っておきます。

2.ほうとうの麺を用意する

ほうとうの特徴ともいえる太い麺を用意します。
小麦粉にぬるま湯を加えてこね、濡れ布巾を重ねて生地を少し寝かせます。
寝かせた後はだいたい1cmくらいの幅になるように切り分けていきます。
ちなみに、山梨県では市販のほうとう麺がスーパーに売られていて、家庭でほうとうを作るときはこうした市販麺が使われています。

3.具材を切る

ほうとうに入れる具材を切っていきます。
具材は気持ち大きめに切って食感を味わえるようにするのが一般的です。
ほうとうの代表的な具材であるかぼちゃは、乱切りにします。

4.具材を煮る

煮干しから出汁を取った汁に切った具材を入れていきます。
具材に均等に火が通るように、固い野菜から順番に鍋に入れていきます。

5.ほうとう麺を入れる

寝かせておいた生地をだいたい1cmくらいの幅になるように切り分けていきます。
具材が柔らかく煮えたら、切り分けたほうとうの麺を入れます。このときに味噌半分を入れてください。
鍋に入れたほうとう麺が透き通ってくるまでが、煮込み時間の目安です。

6.味噌を入れて味を整える

仕上げに、残りの味噌を入れて味を整えます。
味噌を入れ終わったら火を止め、最後に蓋をして数分蒸らしたらほうとうの完成です。

山梨で楽しめるほうとう作り体験

鳴沢村にある宿泊施設「富士緑の休暇村」では、団体向けのアクティビティメニューとして「ほうとう作り体験」が用意されていて、学校の体験学習などに最適です。
小麦粉の状態から平たいほうとう麺を打ち、野菜と一緒に煮込んでおいしくいただくことができます。
富士緑の休暇村は、富士山を間近に見据えた露天風呂や地場産の食材を使った食事が楽しめる宿泊施設です。
客室は和室中心でのんびりとくつろぐことができるほか、サイクリングやウォーキングツアーなどのアクティビティも豊富に揃っているので、ゆっくり滞在して富士山周辺の魅力も味わい尽くすことができます。

富士緑の休暇村

  • URL:https://www.kyukamura.jp/
  • 団体のお客様:https://www.kyukamura.jp/group
  • 住所:山梨県南都留郡鳴沢村字ジラゴンノ8532-5
  • TEL:0555-85-2236
  • 営業時間:
  • チェックイン:15:00~/チェックアウト:~10:00 ※夕食付の方の受付は17:30まで
  • 駐車場:大型バス23台/普通車130台(無料)
  • アクセス:
  • 【車】中央自動車道河口湖ICから本栖湖方面へ約15分
  • 【公共交通機関】富士急行線河口湖駅より無料送迎バスあり(要予約)

山梨でほうとうを食べてみよう

ここまで記事を読んで、ほうとうに興味を持ってくれた方もいるのではないでしょうか。
最後に、山梨県でほうとうを食べてみたい人向けのガイドをご紹介します。
山梨県を訪れた際には、ぜひ現地でほうとうを食べてみてください。

ほうとうはどこで食べられる?

ほうとうは山梨県全域で食べられているポピュラーな料理なので、郷土料理を取り扱っている飲食店で広く提供されています。
山梨県を代表する観光地である甲府や河口湖エリアにも、ほうとうを出しているお店が数多くあります。
お店によってこだわっているポイントやアレンジしているところが異なるので、訪れる場所にほうとうのお店があるかどうか調べてみてください。
店ごとの違いを楽しめるのも、ほうとうの魅力の1つです。

「河口湖でほうとうを食べよう!おすすめのお店8選!」はこちらから→

ほうとうアレンジ「ラーほー」とは

「ラーほー」とは、ほうとうにラーメンの要素を取り入れたアレンジ料理です。
具材やスープはラーメンに近いですが、麺は太くて平たいほうとう麺が使われています。
ラーほーは使う具材の種類を少なくして提供コストを抑え、より手軽な価格で山梨県外の方に楽しんでもらいたいという思いから誕生しました。
今では甲府市の隣にある笛吹市のソウルフードとして知られています。
ほうとう麺を使っている点は共通しているものの、ラーメン同様にラーほーの味も多種多様で、それぞれの店が独自の味を研究しています。

お正月やお祝いごとのときに食べる「小豆ほうとう」

具だくさんでメイン料理の印象が強いほうとうですが、甘い味付けをしたほうとうがあるのをご存知でしょうか。
お正月やお祝いごとのときに食べるほうとうが「小豆ほうとう」です。
砂糖と一緒に煮込んで柔らかくした小豆とほうとう麺で作られていて、一般的なほうとうよりスイーツ感覚で食べられるのが特徴です。
小豆ほうとうも、山梨県の飲食店で食べることができます。

ほうとうと一緒に味わいたいご当地グルメ「鳥もつ煮」

山梨県に行ったらぜひほうとうと一緒に食べてほしいグルメがあります。
それは「鳥もつ煮」です。
山梨県の名物として知られる鳥もつ煮は、その名の通り鶏の砂肝、ハツ、レバーなどを甘辛く濃厚なしょうゆダレで煮た料理です。
きんかん(鶏が産む前の卵)が使われているのも大きな特徴と言えます。
多くの居酒屋や定食屋で提供されている定番メニューで、B級グルメのイベントで取り上げられてから、山梨の名物グルメとして一気に名が広まりました。

山梨グルメと温泉を贅沢に味わう「富士眺望の湯ゆらり」

富士山や河口湖周辺で山梨名物を楽しむなら、まずおさえておきたいのが「富士眺望の湯ゆらり」です。
富士眺望のゆらりは日帰り温泉ではありますが、山梨県や富士五湖ならではのご当地グルメを提供しており、グルメとお風呂の両方を満喫することができます。
富士山を眺めながら温泉につかって、地元食材をふんだんに使った美味しいごはん楽しみませんか。

囲炉裏を囲む個室で山梨名物「ほうとう鍋」

「富士眺望の湯ゆらり」には2つの食事処があり、そのうちのひとつ「お狩場」では山梨名物のほうとう鍋を味わうことができます。
お狩場は、囲炉裏を囲むゆったりとした個室になっており、お子様連れのご家族や友達同士でゆっくりと食事を楽しむことができます。
料理は窓の外からミニSLが運んできてくれますので、楽しみながら食事をすることができます。

富士眺望の湯ゆらりならではのアレンジほうとう

富士眺望の湯ゆらりの食事処では、ほうとう鍋以外のほかに、ミニ丼がついた「ほうとうセット」や暑い夏にもおすすめの「ゆらり特製 ざるほうとう」などを提供しています。
また、冷やしほうとうに食べるラー油をのせてピリ辛にアレンジした「まぜほうとう」はここでしか食べられない一品ですので、ぜひご賞味ください。

富士眺望の湯ゆらり

  • URL:https://www.fuji-yurari.jp/
  • 住所:山梨県南都留郡鳴沢村8532-5
  • TEL:0555-85-3126
  • 入泉料:
  • 大人平日1,200円~1,400円/土日祝1,500円~1,700円
  • 子供(4歳~小学生)平日750円/土日祝日800円
  • 営業時間:平日10時~21時(最終入館20時)/土日祝10時~22時(最終入館21時)
  • 定休日:なし
  • 駐車場:130台/無料
  • アクセス:
  • 【車】中央自動車道河口湖ICから本栖湖方面へ約15分(道の駅なるさわの隣)
  • 【公共交通機関】富士急行線河口湖駅より無料送迎バスあり(要予約)

ほうとうは山梨県民に愛され続けるローカルフード

この記事では、山梨県民が愛するほうとうの魅力について詳しく紹介しました。
シンプルな味付けながらも素材の良さを堪能できるほうとうは、今でも山梨県の家庭で広く親しまれています。
温かいほうとうを口に入れると、きっとホッとした気分になれるはず。
山梨県を訪れた際には、ぜひほうとうを味わってみてください。

関連施設

富士眺望の湯ゆらり

富士眺望の湯ゆらり

眼前に広がる雄大な富士山の眺めを楽しめる日帰り温泉です。開放感抜群の「霊峰露天風呂」や溶岩洞穴を模した「洞窟風呂」など、富士山の眺望と趣向を凝らした16種類のお風呂が楽しめます。

富士緑の休暇村

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富士山観光の拠点としてご利用いただける大型宿泊施設。人工芝グラウンド2面をはじめ、体育館やフットサルコート、セミナー室を完備した総合レクリエーション施設として合宿や各種研修などに利用できます。河口湖方面にも本栖湖方面にもアクセス抜群です。

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ライター紹介

富士観光開発(株)